2016年03月31日

NorCal QRPクラブ

K2開発当時のアメリカのQRP事情を紹介する。
当時米国のQRP界は西にNorCalQRPクラブ、東にQRP ARCIがあってQRP ARCIは米国を代表する団体として毎年デイトンのハムベンションでQRPグループのミーティングを主催し、各国のQRPreが集まって交流を深めていました。
NorCal QRPクラブはというと、シリコンバレーのアマチュアが中心となって活動するクラブで、クラブ員の中のウエイン氏が設計したQRPリグをクラブキットとして頒布し、ウイルドネスラジオのボブ・ダイヤーがそのキットを販売し、キット製作者は全米に広まっていきました。 多くのハムがいつかはリグを自作したいと思っていたからだと思います。
リバモアのフリーマーケット
元々はシリコンバレーで月に一度リバモアという町の大学の駐車場を使って開催されるエレクトロニクス製品のフリーマーケットがあり、出品される内容はデイトンのフリーマーケットとほぼ同じで、無線機、ラジオ、オーディオ製品、コンピュータのパーツなどなどです。 私も米国出張の日程を決めるときは必ずフリーマーケットの週を選んで出かけたもので、相場もデイトンよりは安く、コリンズのKWM-380やHF-380などのお宝をゲットしました。 早朝6時ごろから出店する車が集まりだすと同時に、夏時間のためにまだ日の出前で暗いなかペンライトを片手に掘り出し物を見つけるのが通のやり方で、荷物を下ろすそばから中身を品定めし、10時頃にはもう何も見るものがなくなってしまいます。 そこで帰り道ハムが集まる場所がハイウエーのインターのそばのショッピングセンターの中にある カリフォルニアバーガーというハンバーグ屋さんです。
NorCalのミーティング会場
ここに集まるハム仲間が作ったのがNorCalQRPクラブ。 役員はいるようですが、クラブのミーティングは特に挨拶も、自己紹介もなく、めいめいが勝手にハンバーグショップのテーブルを占領して自慢の作品を披露したり、簡単なキットを販売したりとなんでもありです。
取りあえずハンバーグを何か一品注文しなければなりません。

ミーティングの様子を写真に収めました。
ただただテーブルを囲んで自慢の作品をネタに話しが弾んでいきます。 このミーティングに出席するには、資格は何もありません。 しかし、たとえ日本からわざわざやって来たといっても、それだけでは誰も注目してくれません。 何かをもって来ない限りは注目されないのです。 これがアメリカ流。
自慢の作品
このテーブルではシアラーの改造品とアンテナチューナなどが見えます。 シアラーはウィルドネスラジオが発売していたプラグイン式のHFマルチバンドCWトランシーバで出力が5Wでプラグインモジュールの差し替えで1.8MHzから28MHzのハムバンドで使える、当時最高のQRPリグでした。 設計はウェイン N6KRです。 写真のリグはケースが未塗装なので、NorCalがクラブキットとして頒布したものです。
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これはNorCalのミーティングで頒布していたものを購入したパドルのキットです。 このパドル、組み立てるとバイブロプレックス社で販売しているコードウオリアジュニアになります。 このキーのルーツはこれだったんです。 部品は原材料を切り出しただけのものです。 ここから各自、作品を作るんですが、その中でも自慢の逸品がこれです。 駐車している車の中まで案内されて見せられたのがこのキー。 確かに自慢するだけの事はあります。 私のは。。。 まだ部品のまま袋に入っています。 後に聞いた話では、買った人の大半が組み立てていないんだとか。

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全てがこんな調子なので、フリーマーケットは楽しめる、格安でお宝はゲットできる、おまけにクラブのミーティングに参加もできるという訳で、自作派のハムとしては夢のような世界です。
ビンテージの無線機をお探しなら、このフリーマーケットは見逃せません。

スーパーアンテナの社長、バーン氏 W6MMA と出会ったのもNorCalのミーティングでした。
彼は、新しいアンテナを作るとNorCalのミーティングに持って来て話題になりましたが、惜しくも昨年サイレンとキーとなりました。

NorCalミーティングで発表したK2

ここに登場したのがK2です。 おそらく一般公開した最初のではないかと思われます。
写真の日付けは1998年4月23日です。 左にいるのが WA6HHW エリック氏、現在のエレクラフト社長、真ん中がウェイン氏 N6KR 右がQRP ボブ事ウィルドネスラジオのボブダイヤーです。
エリック氏がもっているのがNoeCl40A 7MHzシングルバンドのCWトランシーバ、 右側のリグがシアラー
そして真ん中のリグがK2とSST-40です。
SSTはシングルバンドのQRPリグで40,30,20と7,10,14MHzそれぞれシングルバンドの無線機で、これらすべてがウエイン氏の設計になります。 注目すべきは、K2の外装ですが、まだ未塗装の試作品です。 
彼は、この試作品を披露したあと、駐車場でアンテナはバーン氏の作ったセンターローディングのアンテナを使って実際にCWのQSOの実演を行っています。

K2の販売
K2の販売に先立ちエリックとウエインは最初にホームページで、リグのフロントパネルのイラストと簡単な仕様を公開します。 プロジェクトの公開はK2をデイトンで発売する一年も前でした。 此のときまだエレクラフト社は誕生していません。
エリック氏は当社自分の会社VerisysyでK2の販売を計画していました。 当時彼の作ったSCSIアナライザーは業界で大好評で、会社は業績を上げていましたから、従業員からは無線のビジネスに参入するのを反対する意見が大勢を占め、彼は会社を従業員に売却して、エレクラフト社を設立したのです。
早い段階から圧倒的な仕様の無線機の開発をアナウンスし、一年間待たせて製品を発売するという方法は多くのハムの共感を呼び、発売前に99台の試作時をフイルドテストとして頒布して、問題点の多くを発売前に解決するという画期的なやり方をしたのです。 すべてのK2にはシリアル番号があり、1番から99番はフイルドテスト版で、No001はエリックが2番はウェイン氏が保有し、No3はJA8CCL、私が持っています。 ここに本格的なHF自作キットが誕生し、ヒースキットが生産をやめてから久しく市場から姿を消した本格的なHFオールバンドの自作リグが彼らの手で復活したのです。 一般の販売はその年のデイトンで始まりました。 一般向け販売のシリアル番号は100番から始まり。 日本向けの注文を入れたおかげで最初の10台はすべて日本に納品されました。 ちなみに一般販売の最初の1第SN#0100はまだ未組み立てでEDCが所有しています。 #101は私の恩師であるJA8HTが所有しています。

posted by 木下重博 JA8CCL at 15:34| Comment(1) | TrackBack(0) | エレクラフト

2016年03月30日

K2はこのシャックから生まれた

トップDXreやQRPに人気の米国エレクラフト社とエレクトロデザイン株式会社との関わりはエレクラフト社発足以前から始まります。 エレクトロデザインは本来電子機器の開発を専門とする会社で1985年3月26日にに発足し、今年で31年目になります。 開発は主に医療用の検査機器の開発とハードディスク用の検査機器を手掛け、エレクラフト社設立当時の1998年頃は主にハードディスク用の検査機器の開発、設計、保守を行っていました。
半導体技術とハードディスクの技術は当時の産業の最先端技術でした。当時の新技術はほとんどが米国発で、EDCも米国の最先端のハードディスクの技術をサンノゼに本社のあるProQuip社と提携して日本国内企業の導入のサポートを行っていました。 月に一回はシリコンバレーに出張するといった生活でしたので、何とか米国からQRVしようと、FCCの認可を友人に取ってもらい、あとはシャックを貸してくれる人を探すだけでした。 そこで紹介されたのがW6HHQエリックさんでした。
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 初対面から一晩シャックを貸してもらいJAと多数の交信を果たし、エリック氏との交際が始まりました。 当時エリック氏はVerisys社の社長でSCSIのアナライザを開発販売していたので、お礼として、Verisys社のSCSIアナライザの販売をEDCが日本で始める事にしました。 
当時のトランジスタ技術誌に1ページの広告を数年間掲載し、IBM、富士通といった会社から高い評価を受けていました。 ある日エリックさんのシャックに行くと、工作机の上で開発中の基板があり、それがK2だったのです。
撮影日は1998年4月4日です。 K2の開発中に、開発の様子を記録した写真は今までエレクラフト社のホームページでも公開されたことがありませんが、ひょっとするとこの写真は貴重な当時の記録ではないかと思います。 K2の設定は主にWayneが行いましたが、エリック氏がテストしていたのがK2の送信部です。 受信部の開発は相棒のWayneが担当していたと思われます。
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この当時のエリックさんのシャックはトランシーバがケンウッドのTS950でオペレーションディスクはこの横にありました。 回路の試作を行っていた机は同じシャック内にあり、たくさんの高周波部品と測定器がありました。  オシロスコープ、スペアナ、SG,バードのパワー計も見えます。 どれも最新のものではありませんが、K2の開発には十分な測定器たちです。 K2はこうしたシャックから生まれたのです。
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K2のコンセプトは当時、米国で流行しだしたQRPラジオのキットの制作とは一線を画し、ヒースキット並みのレベルの本格的なHFマルチバンドのトランシーバキットの提供でした。 私もどちらかといえば交信よりは制作の方が好きなハムだったので、この企画にすっかり賛同してしまい。 ついには日本での販売はEDCに任せろと言ってしまったのです。 EDCのアマチュア無線ビジネスもここから始まったのです。


posted by 木下重博 JA8CCL at 18:58| Comment(2) | TrackBack(0) | エレクラフト

2016年03月16日

エレクトロデザインニュース

エレクトロデザインニュースはエレクトロデザイン株式会社の発売する製品の情報を発信するブログです。
まずは、エレクラフト社設立のきかっけとなったK2の開発についてなどの情報を貴重な写真などを交えてお伝えする予定です。 ご期待ください。


posted by 木下重博 JA8CCL at 15:39| Comment(5) | TrackBack(0) | ニュース