2016年03月30日

K2はこのシャックから生まれた

トップDXreやQRPに人気の米国エレクラフト社とエレクトロデザイン株式会社との関わりはエレクラフト社発足以前から始まります。 エレクトロデザインは本来電子機器の開発を専門とする会社で1985年3月26日にに発足し、今年で31年目になります。 開発は主に医療用の検査機器の開発とハードディスク用の検査機器を手掛け、エレクラフト社設立当時の1998年頃は主にハードディスク用の検査機器の開発、設計、保守を行っていました。
半導体技術とハードディスクの技術は当時の産業の最先端技術でした。当時の新技術はほとんどが米国発で、EDCも米国の最先端のハードディスクの技術をサンノゼに本社のあるProQuip社と提携して日本国内企業の導入のサポートを行っていました。 月に一回はシリコンバレーに出張するといった生活でしたので、何とか米国からQRVしようと、FCCの認可を友人に取ってもらい、あとはシャックを貸してくれる人を探すだけでした。 そこで紹介されたのがW6HHQエリックさんでした。
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 初対面から一晩シャックを貸してもらいJAと多数の交信を果たし、エリック氏との交際が始まりました。 当時エリック氏はVerisys社の社長でSCSIのアナライザを開発販売していたので、お礼として、Verisys社のSCSIアナライザの販売をEDCが日本で始める事にしました。 
当時のトランジスタ技術誌に1ページの広告を数年間掲載し、IBM、富士通といった会社から高い評価を受けていました。 ある日エリックさんのシャックに行くと、工作机の上で開発中の基板があり、それがK2だったのです。
撮影日は1998年4月4日です。 K2の開発中に、開発の様子を記録した写真は今までエレクラフト社のホームページでも公開されたことがありませんが、ひょっとするとこの写真は貴重な当時の記録ではないかと思います。 K2の設定は主にWayneが行いましたが、エリック氏がテストしていたのがK2の送信部です。 受信部の開発は相棒のWayneが担当していたと思われます。
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この当時のエリックさんのシャックはトランシーバがケンウッドのTS950でオペレーションディスクはこの横にありました。 回路の試作を行っていた机は同じシャック内にあり、たくさんの高周波部品と測定器がありました。  オシロスコープ、スペアナ、SG,バードのパワー計も見えます。 どれも最新のものではありませんが、K2の開発には十分な測定器たちです。 K2はこうしたシャックから生まれたのです。
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K2のコンセプトは当時、米国で流行しだしたQRPラジオのキットの制作とは一線を画し、ヒースキット並みのレベルの本格的なHFマルチバンドのトランシーバキットの提供でした。 私もどちらかといえば交信よりは制作の方が好きなハムだったので、この企画にすっかり賛同してしまい。 ついには日本での販売はEDCに任せろと言ってしまったのです。 EDCのアマチュア無線ビジネスもここから始まったのです。


posted by 木下重博 JA8CCL at 18:58| Comment(2) | TrackBack(0) | エレクラフト