2018年03月20日

新スプリアス規制と保証認定制度について(2)

前回のプログについて若干の補足をいたします。
前回のブログは私が、総務省、総合通信基盤局を訪問して話した内容について書かせて頂きました。
保証認定に関して
保証認定に関してその後総合通信基盤局からJARDの保証認定に関して下記の連絡がありました。
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保証における測定データの提出について、「保証要領では概念がなく、アマチュア用の
簡易な測定法なども定めていない。」と説明させて頂きましたが、それはJARDが保証を
する際に測定データの提出を求めていることを否定する意味ではなく、
「どのような方法であれば保証可能か、保証要領では定められていない」という趣旨です。
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何を持って保証とするかは、保証団体に委ねられているという事で、保証認定を受けよう
とする場合、保証団体によって考え方の違いがある事を念頭にどこに保証を依頼すべきか
を考慮する必用があると思います。
なおJADRのホームページでは アマチュア局保証業務規程保証規定として
下記のように表示しています。

(保証の可否)
第 6 条 協会は、保証願書を受付したときは、遅滞なくその記
載内容について、要領別表第1号に掲げる項目について審査を
行い、保証の可否を決定する。
2 協会は、必要があると認めるときは、出願者に対し説明又は
追加の資料等の提出を求めることができる。

スプリアスの測定法に関して
 旧スプリアスの送信機を平成34年12月以降も使用する場合にスプリアスを自分で測定して「スプリアス発射及び不要発射の強度確認届」を総合通信局長あてに提出する制度がありま。 この制度は全ての無線局が対象で、アマチュア無線に特化した制度ではありません。 アマチュア無線の開局や変更には保証認定制度がありますが、現在使用中に送信機のスプリアスの確認に関してはJARDのスプリアス確認保証を受けるか、全ての無線局を対象とした「スプリアス発射及び不要発射の強度確認届」の提出の2つの方法があります。
総務省、総合通信基盤局の訪問では、この点について質問した内容を前回のブログで掲載させていただきましたが、その場でもアマチュア無線に特化した測定法を決めたりする事は大変ハードルが高いとのお話がありました。 その後のメールでも。
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 測定法全体に関わる話であり、アマチュア局のみ特例的に何かをするという
動きは現時点では想定されていない点は申し添えさせていただきます。
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と回答がありました。

以下、は私の考えです。

スプリアス低減は自助努力で
スプリアスを低減して電波環境を良くする事は共に電波を利用する全ての人が協力すべき事だと考えています。 特に、アマチュア無線においては200W以下の簡易な無線局においては書類審査で免許が交付される保証認定制度があり、自作の無線機でオンエアする夢をこの制度が保証してくれています。 一方で、スプリアスを低減する自助努力も求められている事を自覚する必用があります。
業務用無線機の場合、技適制度のおかげで無線の知識の無い人でも、技適機種を購入すれば、デジタル簡易無線のように無資格でもある程度の無線通信ができます。 送信機の認定の段階で厳しい検査をする事で無線通信の技術が無くとも、電波法の知識が無くとも安全に無線が運用できます。 
一方アマチュア無線は国家資格である無線従事者の試験に合格した者のみが運用を許されているので、自分で設計、製作した無線機であっても保証認定あるいは落成検査によって無線通信を行う事ができます。 スプリアスの管理も他人に委ねるのではなく、できれば自身の手で行いたいと思います。 しかし、新スプリアス問題が表面化して以降、どのような測定をどのような基準で行うかについて、それを自分自身の手でやろうと思っても、規則や基準が一か所に集められたような単純なものでもなく、CQ誌平成29年4月号でも「高度な技術が必要な事」と書かれてあるだけで、その詳細についての啓蒙はありません。 使用する測定器についても1年以内に較正を受けたスペアナを使用するといった制限もがあり、これがアマチュア自身の測定を困難にしています。
しかし、測定器の較正の制限は「スプリアス発射及び不要発射の強度確認届」提出の条件であって、普段アマチュアが自身の送信機や友人の電波について、相互に確認しあうについては規則はありません。 アマチュアはアマチュアによる自己管理を行う事で、今後とも保証認定制度を継続して運用していただける保証になるのではないかと考えます。
自己管理が可能かといった視点での議論はあまり無かったように思えます。

スプリアスの測定にスペアナは必須ではない
幸いな事に、スプリアス測定の規則を詳細に調べると、3つの段階に分けられています。
(1)基本波の出力レベル測定する。
(2)スプリアスを探索する。
(3)発見されたスプリアスのレベルを測定する。
この(1)、(3)の測定は、スペアナをスイープしないモードで行う
と規定されています。 受信機で言えばVFOを止めて信号強度を測定するのです。
スペアナが有効なのは(2)の工程で、広い周波数の中からスプリアス信号を一瞬で探せます。 しかし、正確にレベルを測定する時は、スペアナは受信機と同じで特定の周波数にVFOを回して信号を受信し、その信号レベルつまりSを測定するだけなのです。
HF帯なら送信周波数のレベルに比較して-50dB以上のスプリアスが無いかをSメータで調べれば良いのです。
正式に測定するには、送信機と受信機の間にパワーATTを挿入して測定するのですが、簡易的には、7MHzで59+40dBのローカルの信号が21MHzで57以下であれば基準はおおむねクリアしています。
帯域外領域では、59+40dBの信号がキャリアから7.5KHz離れた周波数で信号強度が59以下であれば、規制はクリアしています。 こうした具体的なスプリアス管理法をアマチュア自身で確立して相互で協力し、スプリアスによる実害がない事をアマチュア自身の手で証明する事が大切ではないかと考えます。
我々アマチュア無線家は無線従事者なのですから、信号近傍のスプリアスについなら簡単に、基準以上か、以下かといった客観的な評価ができるので、他の局から信号の評価を聞かれた場合には、こうしたスプリアス基準をまず念頭にして7.5KHz離れた周波数での信号強度をまず測定して評価すれば良いのではと思います。

エレクトロデザイン株式会社
木下重博 JA8CCL








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2018年03月19日

新スプリアス規制と保証認定制度について総務省通信基盤局にて制度の運用について話を聞いてきました。

新スプリアスの対応に関して総合通信基盤局との打ち合わせ結果

新スプリアスの対応に関して様々な情報があり、地方通信局によっても異なる見解があるのではないかと思わせるような事例も顧客から報告されています。 様々な疑問を解決するために、総務省 総合通信基盤局 電波部 移動通信課 との面談を行いましたので、その内容をお知らせします。

新スプリアス問題には2つの課題があります。 これから免許を受けようとする場合の保証認定制度のあり方と運用の問題。 2つめはすでに免許を受けている送信機のスプリアス確認の問題です。


1.保証認定制度について
問題点の説明 
(1)平成17年12月以降に保証認定を受けた送信機について、一部の地方通信局でスプリアス不明といった区分が存在し技適機種と行政的な扱いに差がある。
(2)JARDが平成17年12月以降に保証認定を受けた送信機について申請者の同意なしに旧スプリアス機として保証した事例がある。
(3)JARDが保証認定の申請であるにも関わらず、スプリアスデータを申請者に求めた事例がある。

保証認定制度に関して、総合通信基盤局の見解
(1)保証認定制度に関して
保証認定制度は免許を受けたアマチュア無線家が、自身の責任にいてスプリアスの発射を規定値以下にして送信機を運用する事を前提に、書類審査による簡易な免許制度で、保証認定の審査に実測データの提出を求めていない。
(2)行政的な扱いに関して
技適の機種と保証認定で行政的な取り扱いに差はない。
(3)TSSとJARDの差について
TSSもJARDも同じ保証認定制度によって運営されているので、行政的な取り扱に差はない。

2.スプリアス発射及び不要発射の強度確届について

旧スプリアス機を使用している場合に使用期限は平成34年12月までですが、それ以降も使用するために、アマチュアが自身で新スプリアスである事を証明する方法としてスプリアス発射及び不要発射の強度確届があります。 この届には測定器の較正に関してスペアナについて1年以内の較正を必用とするという、アマチュアにとって厳しい条件があります。 測定法の規定などを調べると、較正の規定があるのはスペアナだけです。 そこで下記の項目について検討をお願いしました。 検討結果の回答は出ていませんが、回答が得られしだいブログに掲載します。

(1)スペアナ以外の測定器の使用について
スプリアスの規定は、基本波のパワーに対する相対的な減衰量によって規定されているので、選択レベルメータ、受信機、ATTなどを利用して、相対的な減衰量を測定する方法があるが、測定器はスペアナに限るのか。 他の測定法でも良いとした場合それらの機器について較正の規定がないので、較正証明は不要と考えて良いか。

(2)自動較正機能付きのスペアナを使用した場合、測定器の出荷当時の性能で測定できるが、その場合は1年以内の較正がなされたとみなされるか。
みなされる場合、較正機関名として測定器のメーカーの名前+自動較正、もしくは自動較正を起動した人の氏名+自動較正を記入しても受け付けてもらえるか。

(3)フィルタの特性によるスプリアス抑制の合理的な証明
スプリアス測定の規定にあるフィルタの特性によってスプリアス測定を代替する場合に書式が無いが、どのような方法でデータを提出すれば、スプリアス測定が免除されるか。

以上

エレクトロデザイン株式会社
木下重博
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