2016年06月01日

KX2の保証認定が通過 新スプリアス基準に対するTSSの見解を解説

KX2保証認定を通過

エレクラフト社の新型超小型トランシーバKX2のデモ機がEDC向けに出荷されました。
同時進行で、個人局JA8CCLの無線設備の1台としてKX2の追を変更申請すべくTSSに保証認定の書類を作成し、送付してありました。  KX2の送信機系統図は回路図を解析して作成しましたが内容はほぼKX3と同じでした。 又5MHzの発射ができない証明書をEDCが発行して添付したので、この関門も無事通過しました。 今朝確認を取った処、変更申請の保証は完了して、変更申請書はすでに北海道総合通信局に送付された事が確認できました。 変更申請が北海道総合通信局で受理されれば、KX2でオンエアする準備が完了します。 6月19日の茨城支部のハムの集に出展を予定しています。 それまでにKX2が到着する事を祈ります。

TSSの保証認定と新スプリアス基準 
今回の申請では何かと話題になっている新スプリアス基準についてTSSの見解を質問してみました。
TSSでは平成19年12月1日以降に保証認定を申請された無線機は、申請者が新スプリアス基準に適合している事を認識した上で保証認定の願いを提出しているとして、保証認定がそもそも実測を伴わない書類審査の制度であることから、申請の内容に新スプリアス基準に不適合な装置である事が記載されていない限り、保証認定を行い、認定された送信機は新スプリアス基準適合とみなされる、という方針であるとの回答を得ました。 
確かに無線局の無線局事項書及び工事設計書の中に 「法第3章に規定する条件に合致する」の項目にはチェック欄があってここにチェックを入れるのは申請者自身です。 (法第3章は無線設備に関する規定です。)
保証認定制度は認定を申請する人が、認定してもらいたい無線機の性能について唯一確かめる事のできうる立場にあって、保証されるべき機種であるという確信によりTSSに保証認定の書類を作成し、「法第3章に規定する条件に合致する」の項目にはチェックして保証を申請しているのであるから、TSSは申請された書面により認定業務を行っているという事です。 機器の性能に関する許認可について申請者と保証認定業者以外の第三者が介入する余地のない制度です。 スプリアス基準に適合しているか否かは制度上は申請者自身の判断にゆだねられているので、新スプリアス基準に適合するかしないかを判断するの第三者機関ではなくはあくまで申請者だと言う事です。 第三者機関による何らかの測定や判定があったとしても、それにより新スプリアス基準の適合の可否を決めるのは第三者機関ではなくあくまでも申請者であるという事になります。 今後保証認定業務の制度が存続する限りこの見解に沿えば自作機種についても新スプリアス基準による許認可が可能である事の合理的な説明ではないかと思います。
測定の能力を持たないアマチュアでも例えばヨーロッパのECの基準を満足しているといった明確で具体的な証拠によって申請者が確信も持って保証認定を申請すればよい事になります。 TSSの新スプリアス基準に対す考え方は総務省の確認も得ているとの事なので、ECの認定をクリアしている機種などは安心して保証認定を申請し、継続的に使用が可能と思います。 また古い真空管のリグなどでもローパスフィルターなどを接続して、出力は新スプリアス基準を満足している事を自らら測定して、送信機系統図にローパスフィルターを追加して申請する事で新スプリアス基準をクリアする道が開かれているように思えます。 
また申請者が技術的につたなく、新スプリアス基準に適合しない機種を誤って新スプリアス基準値適合と思って申請し運用した場合でも、スプリアスで実害が発生すれば、電波法に規定により申請者が電波の発射を停止するとか、その無線機を撤去の変更申請をして撤去すればよいのです。
免許制度がアメリカのように包括免許である事が望ましい事は言うまでもありませんが、保証認定制度は、保証を申請する人は国家が定めた試験に合格した電気的にも法的にも知識を持った人が誠実に申請を行う事を前提に、アマチュア無線の通信に自作機やビンテージな無線機の使用の自由を認める書類審査制度であるので、この制度を壊す事無く大切にしたいと思います。     
                               エレクトロデザイン株式会社 木下重博
posted by 木下重博 JA8CCL at 11:51| Comment(16) | TrackBack(1) | ニュース
この記事へのコメント
あちこちで様々なウワサが飛んでいますが、
ようやく論理的かつ完結的な説明を読むことが出来ました。
今回の騒動?は、設備規則の別表3の改訂だけであって
保証認定制度には無関係のことだと考えています。
ありがとうございました。



Posted by JA1BVA 齊藤 at 2016年06月05日 10:44
JARDが実測を開始していますが、アマチュアは正規に較正された測定器を持つはずがない中で、測定結果をエビデンスとする方向を容認すると、今後はいちいちJARD測定を依頼しなければ自作や改装はできない事になってしまいます。 この動きはアマチュアにとって大切なの自作の道を開いている保証認定という書類審査というシステムを変質させる恐れがあるのではないでしょうか?
Posted by 木下 at 2016年06月06日 09:15
総合通信局陸上課に聞いたところ、法第3章に規定する条件に合致する。とは、平成29年11月30日以前の申請についてであり、平成29年12月1日以降の申請については自作機やキットの申請については実機の測定データが必要になるとの回答がきました。TSSさんの見解とは異なります。エレクトロデザインさんは、K3やKX2などの新しい無線機は日本の技適を取ったほうが、お客様のためになると言っていましたよ。
Posted by 加藤利久 at 2016年08月15日 14:36
加藤様
コメントありがとうございます。

平成28年6月30日に アマチュア局の無線設備の保証に関する要領 の規則が一部改正されたのはご存知でしょうか? ぜひ一度読んでください。
この改正を受けて総務省の担当者の見解が変わった可能性が考えられます。

新しい改正では。
"スプリアス発射及び不要発射の強度確認届出書”
という新たな書類の提出が保証認定の際にに追加になっています。 この新たな書類にはスプリアスの実測値を記入する欄はありません。 従来の申請は全無線設備を一括して”法第3章に規定する条件に合致する”の項目にチェックを入れるだけでしたが、新たな書類では送信機ごとに”保証対象”という項目にレ印を記入することとなっています。 

第10 条 保証の業務を行う者は、前条第1項の規定により審査した結果、保証することが
適当と認めたときは、申請書類に保証の事実を証する書類(以下「保証書」という。)を
添付して、所轄の総合通信局長又は沖縄総合通信事務所長に送付するものとする。
と規定されており、ここにも実機の測定データの添付が義務図けられているようには読み取れません。

また 別表第1号 保証に係る審査項目(第9条第1項関係)
の中には

(4) スプリアス発射の強度は、無線設備規則第7条に定められた許容値以下であること。
スプリアス発射の強度が明らかでない場合は、同条に定められた許容値以下に抑圧で
きる高低調波除去のフィルタが終段管(終段部の真空管(半導体を含む。)をいう。
以下同じ。)の励振入力及び出力回路に挿入されていること。

という項目があり、”スプリアス発射の強度が明らかでない場合”という表現は、”測定が不可能な場合は”とも読み替える事ができると思います。 この規定を見る限り自作のアマチュアの立場を救済するための保証認定制度の基本精神は変質していないと考えます。 
法第3章に規定する条件に合致する。という申請書の項目にチェックを入れるという従来の規定に加えて"スプリアス発射及び不要発射の強度確認届出書”の提出が新たに加わっただけで、審査の基準に ”許容値以下に抑圧で
きる高低調波除去のフィルタが終段管(終段部の真空管(半導体を含む。)をいう。
以下同じ。)の励振入力及び出力回路に挿入されていること。”を確認する事が新たに加わったと思います。 これは送信機系統図に明示すべき項目だと思います。

”アマチュア局の無線設備の保証に関する要領”の規定に明示されていない ”実機の測定データが必用”と言う総合通信局陸上課の回答はあくまで一係員の見解であって保証認定制度の規定に根拠を置いた回答とは思われません。 
Posted by 木下 at 2016年08月16日 15:54
木下様、先日はお返事有難うございます。
TSSさんとJARDさんの見解が異なります。
見解を統一しないと平成29年12月1日以降、自作機やキットの申請において混乱が生じます。
昨日、JARDさんに問い合わせたところ、現在の書面審査による保証認定制度は平成29年11月30日までです。
平成29年12月1日以降の保証認定は実機の測定データが必要になります。
JARDは有料測定を検討しております。との返事がきました。
JARLさんが総務省に確認して見解の統一をしないと平成29年12月1日以降の自作機やキットの申請で混乱しますよ。
JARLさんはどう言うつもりなのでしょうか?
Posted by JR9PRA/T0shi加藤利久 at 2016年08月18日 14:26
木下様、8月19日、明日、JARD(日本アマチュア無線振興会)のホームページで平成29年12月1日以降の新スプリアス規格について、重大な発表があるそうです。発表時間についてはまだ未定だそうです。
Posted by JR9PRA/Toshi加藤 at 2016年08月18日 17:42
木下様、9月になってから、JARD(日本アマチュア無線振興会)のホームページで自作機やキットの有料測定料金が発表されるそうですよ
米国の無線機の完成品やキットは、日本の無線機よりも測定する周波数やモードが少ないので1万円から3万円で測定できるそうですよ。
Posted by JR9PRA/Toshi at 2016年08月23日 16:36
木下様、TSSで保証認定してもらうと平成29年12月1日以降も新スプリアス規格での測定データを要求しないそうですよ。ご安心ください。
Posted by JR9PRA/Toshi at 2016年08月26日 13:53
木下様、本日、JARD(日本アマチュア無線振興会)に問い合わせたところ、JARDは有料測定制度について、修正したようですね。平成26年11月10日以降にJARD(日本アマチュア無線振興会)で保証認定してもらった自作機やキットは新スプリアス規格に適合しているとみなされるので、測定データを提出しなくてもそうですよ。ご安心ください。
Posted by JR9PRA/Toshi at 2016年09月01日 19:26
新スプリアス基準が適用された以降に保証認定された無線機は、新スプリアス基準に準拠しているとみなされるという事ですね。 ありがとうございました。
Posted by 木下 at 2016年09月01日 20:25
新スプリアスの対応はTSSさんに親切に説明対応いただき、当局の設備すべて新規格変更できました
TSS
03−6261−3686
Posted by rra at 2017年01月10日 22:50
rraさん
TSS経由で無事に新規格での保証認定が受けられたようで、情報をありがとうございます。
恐らくスプリアスのデータの提出要求は無かったと思われますが、いかがでしょうか?
Posted by 木下 at 2017年01月11日 09:02
現在の時点では、K3はどのようになるんでしょうか?
Posted by taka at 2017年02月20日 19:58
K3は問題なく認定されると思います。JARDからはかなり前にK3に関して聞き取り調査がEDCにありましたが質問の内容は5Mの発射に関してだけでした。
Posted by 木下 at 2017年02月21日 09:14
当方、K1を持っておりまして、新スプリアス規制に対して、
どの程度の実力かを知りたいな、と思っております。
K1のスペックは、-40dB以下、とのことですが、新規制値は-50dB以下、ですので
少し足りていないかと感じています。
皆様のコメントにもありますが、小生は平成26年11月よりも以前にK1の保証認定を
受けていますので、全くのデータが不要という訳にはいかないと思っています。
EDCさんの手持ちのK1でも結構なので、実力を測定して公開してはいただけませんか?
例え規制値を満足できていなかったにせよ、時間も十分にありますので、
LPFの回路例の公開や場合によっては専用のキット(?)の販売でもいいのかな、
と思っています。
EDCさんのご見解をお聞きしたいと思います。
Posted by 奥田 at 2017年03月02日 15:14
JARDは保証認定に加えてスプリアス保証の業務開始をアナウンスしています。CQ誌4月号の総務省の方が書いた記事によって、その違いがようやく理解できたのすが
まず、保証認定とスプリアス保証が別の業務であるという事をまず認識していただきたいと思います。
すでに免許になっている旧スプリアス機器を平成34年11月30日以降使えるようにするのが、スプリアス確認保証です。 確認保証が必用なのは旧スプリアス機器に限ります。

奥田さんの場合新規に開局又は変更するのではないので平成17年12月1日以前に保証認定を受けたかが問題となります。
平成17年12月1日以降に保証認定された機器は新スプリアスを判定基準とした制度
の元で免許になった送信機なので、新スプリアス機器なので、永遠に再免許が可能です。
平成17年12月1日以前に保証認定を受けた場合には、平成34年11月30日以降は旧スプリアスを判定基準とした制度の元で免許になった送信機なので、旧スプリアス機器なので、残念ながらJARDのスプリアス保証を受けないと継続使用ができません。
JARDのスプリアス保証にはスプリアスの写真データを必用としているので、これを測定して提出する必要があります。
もし測定して新スプリアス基準を満足しない場合は、送信機とアンテナの間にフィルタを設置するなどの対策を講じる必要があります。
この場合、送信機の系統図が免許申請と違って来るので、変更申請の対象となるのか
スプリアス保証で済むかについてはJARDなどに確認が必用です。
データ無しに済ませる方法としては、TSSに送信機とアンテナの間にフィルタを設置する送信機の系統図を書いて変更申請する方法が考えられます。

エレクトロデザイン株式会社
木下重博 
Posted by 木下 at 2017年03月24日 10:21
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TSSではスプリアスの測定結果は求めないらしい
Excerpt: ツイート JARDがスプリアス確認保証認定なるものを始めたが、一方、TSSはサイトを見てもその辺りついては何も触れられていない。ひょっとして、保証認定業務から撤退するんじゃないかと思っていたが、そうで..
Weblog: jh4vaj
Tracked: 2016-09-06 16:51